【5⽉27⽇ Peopleʼs Daily】今年第1四半期、中国ハイテク産業の外資使用額は前年同期比18%増の1567億1000万元(約3兆975億円)だった。ますます多くの多国籍企業が中国でハイテク産業に投資し、全世界における「ベンチマーク工場」を建設している。

「ビッビー」――信号音が鳴り響いた。テスラ(Tesla)上海のスーパー工場内では、また1台の自動車が「出来上がり」となり、検査の段階に入った。「メカキューブ」のような2階建ての工場内で、生産ラインの全貌を見渡すことは不可能だ。

 一方で、シーメンス・エナジー(Siemens Energy)の上海工場は「小さくて精巧」だ。同工場の製品は顧客のニーズに合わせて細かくカスタマイズされている。大量生産ではないので工場は小さいが、精密度と効率は世界のトップレベルという。

 商務部研究院学術委員会の張建平(Zhang Jianping)副主任は「ハイテク産業、特にハイテク製造業が急成長を維持していることは、中国の製造業の発展の潜在力が大きいことと、ハイテク製造業の生態系が比較的整っていることを示している」と説明した。

 中国が外資を魅了しているのは、ビジネス環境の改善が進んでいることによる。張副主任は「政府は一連の優遇政策と改革措置により、外資企業が中国に定着し発展するための良好な環境を作った」と述べた。さらに「中国の知的財産権保護、法律法規などの面での一層の整備は、外資企業の中国での経営をより安定して信頼できるものにしている」という。

 これらの多国籍企業が中国で建設した「ベンチマーク工場」は、高度なデジタル化やスマート化の特徴がある。テスラ関係者によると、テスラ上海スーパー工場では、信頼性の高い工業ネットワークが自動化生産ラインの隅々までカバーし、設備自動化、生産設備の無線接続、生産情報収集、人と機械の意思疎通、スマート化意思決定などに貢献している。

 シーメンス・エナジー傘下の上海シーメンス高圧開閉器は先ごろ、工業・情報化部による「2022年度グリーン製造リスト」に登録されて「グリーン工場」の称号を獲得した。同社関係者によると、新たなグリーンエネルギーソリューションを開発することで、工場は多機能補完型のエネルギー構造を構築し、エネルギーの精密管理を推進するようになった。

 今年に入り、世界の業界トップ級の外資の大プロジェクトの実施が加速している。成都市(Chengdu)では、投資総額が60億元(約1186億円)を超えるエアバス(Airbus)の全ライフサイクルサービスプロジェクトの進展が加速している。投資総額約20億元(約395億円)の泰国天絲集団(TCP Group)レッドブル(Red Bull)飲料(四川<Sichuan>)の生産拠点は、建設工事の75%が完了した。テスラの上海エネルギー貯蔵スーパー工場プロジェクトがこのほど上海臨港新片区で始まったことも明らかになった。

 商務部の束珏婷(Shu Jueting)報道官によると、今年に入ってから新たに成約した外資プロジェクトは大まかな統計で300件以上あり、バイオ医薬、先進製造、化学工業・エネルギー、現代サービス業などの重点業界分野に及んでいる。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News