【5月27日 AFP】プレーヤーが黒人の仮想奴隷を売買・拷問できるポルトガル語のゲームアプリ「Slavery Simulator(奴隷制シミュレーター)」にブラジルで人種差別との批判が起きたのを受け、米グーグル(Google)は同アプリを「Playストア」から削除した。

 このアプリは、プレーヤーが奴隷制の廃止を阻止する戦略を立てながら奴隷を売買して富を築いていくシミュレーションゲームで、数百人がダウンロードしていた。アプリの免責事項には、「あらゆる奴隷制度」を非難し、このゲームは「娯楽のみを目的としている」と記載されていた。

 検察は「ヘイトスピーチ」の疑いがあるとして捜査を開始している。

 グーグルはこのアプリの削除後、同社のプラットフォームでは「肌の色や民族的出自を理由に集団や個人への暴力や憎悪を助長するアプリ」を容認できないと表明。ユーザーには不快なコンテンツを報告するよう呼び掛けた。

 ブラジルの人種平等促進省は「ヘイトスピーチや不寛容、人種差別を含むコンテンツを除去」し、そうしたコンテンツが「容易に拡散されるのを防止」する措置を講じるようグーグルに要請したとしている。

 ブラジルは1888年、南北米大陸で最後まで維持されていた奴隷制を廃止した。しかし、人口の56%以上はアフリカ系で、人種差別はいまだに根強く残っている。(c)AFP