【5月28日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、股関節のけがのため、驚異的な強さを誇る全仏オープン(French Open 2023、28日開幕)を今年は初めて欠場する。初出場した18年前の全仏でナダルの最初の対戦相手となったドイツのラース・ブルクスミュラー(Lars Burgsmuller)氏(47)は、ナダルは当時から「異次元」だったと振り返った。

 ナダルが全仏で通算14回優勝するのはまだ先の話だった2005年大会に、当時29歳で世界ランキング96位につけていたブルクスミュラー氏は、18歳だったナダルと1回戦で顔を合わせた。

「彼が次の大物だという話は、あちらこちらで耳にしていた」という中で、試合は1-6、6-7、1-6で敗れたが、第2セットではナダルをタイブレークまで追い詰めた。

 現在は居住地の独エッセン(Essen)で放射線科医を務めるブルクスミュラー氏。試合の結果には失望したが、偉業の始まりを目撃している実感があったという。「何のねたみも持たずに、とにかく彼のプレーが異次元であると認めざるを得なかった」。ナダルの才能は確信したが、初出場だった同大会でそのまま優勝したことには驚いたとも話した。

 その後の17年間で、ナダルは全仏史上最多14回の優勝を果たし、大会通算115試合を戦って許した黒星はわずかに三つ。四大大会(グランドスラム)では男子歴代最多タイとなる22個のタイトルを獲得した。(c)AFP/Daniel WIGHTON