【5月26日 Xinhua News】中国の鉄道建設大手、中国中鉄がグリーン(環境配慮型)の理念に沿って製造したシールドマシン(掘削機)「中鉄1237号」が9日、完成した。イタリア・シチリア島の高速鉄道トンネル建設に使われる予定で、中国の最先端設備が「一帯一路(Belt and Road)」建設を後押しする。

 河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)で同日開かれた2023年中国スマート製造ブランドフォーラムで明らかになった。デュアルモードの開放型泥土圧式シールドマシンで、全長135メートル、総重量は1900トンを超える。地盤に合わせ掘削圧力を自動で制御し、掘削効率とエネルギー消費の最適な組み合わせを自律的に行うことで、グリーン化と省エネを達成する。省エネ・スマート製造技術と先進的な除塵(じん)技術を採用し、粉塵排出と騒音を低減する。また連続掘削や高速モードチェンジなどの技術も採用し、掘削と省エネ・排出削減の効率を引き上げる。

 同日には、勾配の大きな下り坂のトンネル掘削に用いる硬岩用トンネルボーリングマシン(TBM)「中鉄1285号」も完成した。淮北鉱業集団が安徽省淮北市に建設する臨煥炭鉱の工事に使われる。同炭鉱の坑道に存在する施工上の課題を解決するため、開発チームはカッターヘッドシステムや水平方向の掘削の支援システムなどに的を絞った設計を施し、安全で環境にやさしく、高効率でスマートといった特徴を実現した。工事の効率と安全性を大幅に引き上げ、作業者の労働環境を改善につなげる。

 中国中鉄傘下で掘削機などの製造を手掛ける中鉄工程装備集団の王鍇(Wang Kai)副総経理は「イノベーションは発展をけん引する一番の原動力」とし、2種類の掘削機械が正式に完成したことは、中国中鉄のトンネル掘削機分野における研究・開発のハイエンド化、スマート化、グリーン化が継続的に進んでいることを示していると強調した。

 中国中鉄のシールドマシンとTBMの受注台数はこれまでに計1500台以上で、トンネルの掘削距離は4千キロを超えている。製品はドイツやフランス、イタリア、デンマーク、ポーランド、オーストラリア、シンガポールなど30以上の国と地域に輸出されている。(c)Xinhua News/AFPBB News