【5⽉26⽇ Peopleʼs Daily】中国・山西省(Shanxi)運城市(Yuncheng)の解州関帝廟景勝区では、青々とした中条山を背景にした2階建ての赤い建物が目を引く。2022年9月に完成したばかりの関公デジタル博物館だ。ここではプロジェクションマッピングや仮想現実などの技術を活用して、関公(関羽、Guan Yu)の物語を生き生きと示してくれる。

 中条山のふもとの関帝家廟の前に昨年建設された平常街には、ご当地グルメを楽しませてくれる店が軒を連ねている。地元の伝統芸能が上演されている施設も多い。街の中心部では寸劇『義結桃園』が上演されている。

 平常街の運営会社の職員である王鵬(Wang Peng)氏は、「やるなら特色を出さなきゃ」と説明した。平常街は関公文化を示すことに特化して作られた。70棟以上の建築物は建材選びから彫刻や彩色に至るまで、完全に古建築の方法にのっとって作られた。さらに関羽関連の寸劇5本を作り、文化体験プログラムなども導入したという。

 運城は古くは「河東」と呼ばれた。解州関帝廟のような国が指定する保護施設は102か所あり、移動不能な文化財は6000点余りある。運城市はここ数年、独特な関羽の忠義文化、堯舜の徳孝文化、塩湖文化などを掘り下げて、文化と旅の融合を促進してきた。運城市は今や、歴史と文化の観光都市として新たな輝きを放っている。

 運城ではこの2年余りで、関帝廟、永楽宮、李家大院の3大国有景勝区の体制を改革した。文化保護と文化旅行を結合させたことで、伝統的な観光地はそれまで以上ににぎわうようになった。

 舞台作品の『大河の東』は、国家芸術基金の資金援助プロジェクトの指定を受けることに成功した。現在ではチケット入手が困難なほどの人気だ。永楽宮では文化財資源を深く掘り下げて、貴重な特別展や移動展、道教文化展を実施している。

 黄河1号観光道路運城区間を走れば、広がる大河や絵のような青々とした山並みが目に入る。道は運城の24の国家A級景勝区とつながっている。近年には茅津黄河生態園、堯王台民宿小鎮、印象風陵渡景勝区などが建設され、山西省南部の特色を備えた黄河文化を体験することが可能になった。

 運城市文化観光局の陳小光(Chen Xiaoguang)局長は「市としては業態配置の最適化、サービスの質の向上、ブランドイメージの形成の3方面に力を入れ、『黄河1号観光道路』のドライブ旅行路線を3年でプレミアム観光路線にすることを目指します」と説明した。

 中国共産党運城市委員会宣伝部部長で統一戦線部部長の王志峰(Wang Zhifeng)氏は、豊かになるためには知恵を出す必要があると述べ、「文化旅行の発展は都市の発展と深く融合し、大衆の文化生活への期待によりよく応えねばならない」と主張した。運城はここ数年、歴史的著名人の旧居や農村の大邸宅、古い民家などを利用して、人物やその物語を展示する施設の建設を進めている。市内各所にある文化の拠点は地元の人びとの文化生活を豊かにし、同時に運城の文化旅行に彩りを添えている。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News