【5月25日 AFP】サッカーJリーグ1部(J1)・ヴィッセル神戸(Vissel Kobe)のMFアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta、39)が25日、神戸市内で記者会見を開き、退団を発表した。今季いっぱいの契約を結んでいたが、シーズン終了を待たずに退団することになり、7月1日にホームで行われる北海道コンサドーレ札幌(Hokkaido Consadole Sapporo)戦がラストマッチになる。現役は続ける意向を示した。

 今季はチームが首位を走る中、リーグ戦では途中出場3試合でわずか38分のプレーにとどまっていたイニエスタ。会見では何度も言葉を詰まらせ、涙をぬぐった。

「ずっと自分はここで引退する姿を想像してきた。しかし、ときに物事は希望や願望通りにいかない。この数か月間も激しいトレーニングを重ね、チームに貢献する準備はできているという感覚でやってきたが、監督の優先順位も違うところにあるように感じ始めた」。ヴィッセルを退団することは「自分のプロ人生の中でも最も難しい決断の一つだった」と説明した。

 今後についてはまだ分からないとした上で、「まずはここでしっかりと時間を全うして、そこからどんな可能性が出てくるかを見ていきたい。ただ、自分としてはサッカーを続けたい。ピッチでサッカー選手としてプレーしながら引退したいという気持ちが強い。今ここではそれが難しい状況という中で、そういった形で引退できる場所を見つけたい」と語った。

 イニエスタは2018年、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)から推定年俸3000万ドル(約42億円)の3年契約で加入し、21年5月に契約を延長した。ヴィッセルでは19年に天皇杯(The 99th Emperor's Cup)を制し、翌年のAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League 2020)ではチームのベスト4進出に貢献した。

 バルセロナでは公式戦600試合以上に出場して欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)優勝4回、リーグ優勝9回を果たし、世代屈指の選手と広く評価される。6月6日に東京・国立競技場(Japan National Stadium)で行われるバルセロナとの親善試合には、ヴィッセルの一員として出場する予定。(c)AFP