【5月25日 AFP】22-23スペイン1部リーグは24日、第36節の試合が行われ、レアル・マドリード(Real Madrid)は2-1でラージョ・バジェカーノ(Rayo Vallecano)を下した。終盤に決勝点を決めたロドリゴ(Rodrygo Silva de Goes)は、相手チームのサポーターから人種差別を受けたチームメートのビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)へ向けて拳を突き上げた。

 21日のバレンシア(Valencia CF)戦で人種差別を受けたブラジル代表のビニシウスは、膝の問題のため、スタンドから試合を観戦した。この日は問題が起きてから初めての試合で、チームメートはビニシウスの背番号「20」のユニホーム姿でキックオフ前の整列を行って連帯を示し、ホームのサポーターも前半20分に同選手の名前をさけんだり、「われわれは皆ビニシウス。もうたくさんだ」と書かれた横断幕を掲げたりした。

 89分に得点を挙げたロドリゴは、頭を下げて拳を突き上げる「ブラックパワー・サリュート(Black Power Salute)」を行った。

 試合はレアルがカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)の得点で先制した後、84分に同点に追いつかれたが、その5分後にロドリゴが決勝ゴールを奪った。同日にアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)が3-3でRCDエスパニョール(RCD Espanyol)と引き分けたため、レアルはアトレティコと勝ち点1差の2位に浮上した。

 カルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は試合後、ビニシウスについて「彼は元気だ。ここ数日間受けたサポートが良かった」と話し、「もし膝の問題がなければ間違いなくプレーしていただろう」と説明。ロドリゴが見せたゴールセレブレーションに関しては「見ていなかった」としつつ、「ビニと親しいすべての選手がこの問題を感じている」と明かし、「彼らは良い友だち同士。ビニに少し大変なことが起きている中で、仲間に対して友情を見せる行為だった」とコメントした。

 5位ビジャレアル(Villarreal CF)は2-0で下位のカディス(Cadiz CF)に勝利。4位レアル・ソシエダ(Real Sociedad)との勝ち点差5を維持し、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2023-24)出場へ向けてかすかな望みをつないだ。(c)AFP/Rik Sharma