【5月24日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は23日、ウクライナに戦場での勝ち目はないと語り、ロシアとの紛争を終わらせるには米国の介入が必須だとの持論を展開した。

 オルバン氏は中東カタールで開かれた会合で、ロシアの侵攻は「外交の失敗」の帰結だと主張した。右派の同氏はウクライナ紛争について、これまでロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を非難したことはない。

 オルバン氏は「戦場での解決の試みが奏功していないのは明らかだ」「現実と数字、周囲の情勢、さらに北大西洋条約機構(NATO)に派兵の意思がないことを見れば、戦力で劣るウクライナが戦場で勝てないのは明白だ」と述べた。

「われわれの心はウクライナの人々と共にある」「その苦しみも理解している」としながらも、「エスカレーションに歯止めを掛け、和平交渉に向けた議論をすべきだ」と語った。

 その上で、停戦が実現した暁には、欧州はロシアとの間で新たな安全保障協定を結ぶ必要があると述べた。

 オルバン氏は「国家としてウクライナはもちろん非常に重要だが、長期的・戦略的に考えれば、問題は将来の欧州の安全保障をどうするかだ」と強調。「米国抜きに欧州の安全保障の枠組みが成立しないのは明白だ。ただし、ロシア、米国間で何らかの合意が達成されない限り、この戦争は止められない」「欧州人の一人としては不本意だが、それが唯一の解決の道だ」と話した。

 一方、自国と欧州連合(EU)との関係については、他の加盟国首脳を「理知的」過ぎると批判しながら、ハンガリーの全輸出の85%が域内向けであるため、離脱はできないと語った。(c)AFP