施設農業、広大なゴビでの栽培の難題を解決
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【5⽉24⽇ Peopleʼs Daily】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のクズルス・キルギス自治州では、伝統産業である農業が現代化、科学技術化しつつある。州都のアルトゥシュ市では食糧作物用農地27万1600ムー(約181平方キロ)、高基準農地3万900ムー(約20.6平方キロ)が建設され、2022年には12万6000トンを生産した。この市の面積の24.7%に相当する3773平方キロ近くがゴビ砂漠(Gobi Desert)だとは想像できない。
アルトゥシュ市の北西部の阿湖郷には1180ムー(約0.7平方キロ)の阿湖郷施設農業基地がある。基地では十数年間で346棟の温室ハウスが建設され、トマトやトウガラシなど20種類以上の野菜や果物が生産されている。
ハウスの外には、強風が吹き荒れるゴビ砂漠が広がる。温室内では暖かく湿ったそよ風が一面の緑をそよがせている。「私の家はゴビ砂漠にあって、小麦やアルファルファを植えても水不足や強風で減産した。最高でも年間で2万元(約39万4144円)余りを稼げるだけだった」――。このヘジラ・アイサンさんは転居者で、ハウス2棟を請け負う。現在は妻がハウスの世話し、自分は近くで雇われて労働をしている。夫婦で1年に8万元(約158万円)以上を稼いでいる。
阿湖郷の譚陽光(Tan Yangguang)副郷長は、「ハウス1棟の賃料は年間1000元(約1万9707円)で済む。郷政府の農業技術普及ステーションの幹部9人が常駐して栽培技術を伝授し、農家に問題が出れば即座に解決を支援する」と紹介した。
アルトゥシュ市農業農村局の関係責任者によると、現代化温室ハウスは857棟、面積は3000ムー(約2平方キロ)に達し、うちスマート化ハウスは22棟に達した。
基地にある第346ハウスは、新疆晨潤農業科技発展有限公司の責任者である趙少維(Zhao Shaowei)氏が手掛ける。大型ハウスであり、従来のプラスチックフィルムや赤レンガではなく、明るいガラスとより頑丈な鋼材で作られている。
2022年5月には現地政府が音頭を取り、新疆を支援する江蘇省(Jiangsu)昆山市(Kunshan)が1500万元(約2億9560万円)、会社側が600万元(約1億1824万円)を投入してこの1万平方メートルの高基準・スマート化ガラス温室ハウスを建設した。
趙氏は、「当社は高基準スマート青果育苗システムを構築した。80万〜100万株の大量育苗が可能だ。苗床の移動や撒水は自動化され、照明や湿度は携帯電話で管理できる。現在は、周辺のハウス農家に年間60万株の苗を提供できる」「周辺農家に提供している種苗は市場価格より10%〜15%安い」と述べた。
阿湖郷党委員会の郭彦武(Guo Yanwu)副書記によると、スマート化ガラス温室ハウスでは地域の他の農家や新疆全域の農業学生や農業人材が実地訓練をしている。彼らは学んだことを自らのハウスで応用している。郭副書記は、「スマート化ガラス温室ハウスを足がかりにして、今後、苗の育成から栽培、販売までの全産業チェーンの運営を通じ、現地の施設農業の質の高い発展に向けた新たなルートを育成する」と述べた。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News