【5月23日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は21日、広島で開催された先進7か国(G7)首脳会議(サミット)の帰路、モンゴルに立ち寄った。仏大統領による同国訪問は初。

 マクロン氏は首都ウランバートルのチンギスハン博物館(Chinggis Khaan National Museum)で開かれた公式夕食会に出席した。

 中国とロシアに挟まれた位置にあるモンゴルに対し、西側諸国は戦略的関心を高めている。

 またフランスは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、モンゴルを含め、ロシアを明確に非難していない国々との外交を強化してきた。

 仏エリゼ宮(Elysee Palace、大統領府)の情報筋は、モンゴルは「ロシアや中国といった巨大な隣国への対処能力を高めるために、協力関係の多様化を目指している」と発言。「モンゴルが本来の路線に回帰することで、この歴史的な(仏大統領の)初訪問が実現し、それが特別な意味を持つ」と述べた。

 さらに同筋は、エネルギー安全保障を確保するため欧州諸国が取り組む供給源の多様化に、モンゴルが加わる可能性もあると付け加えた。

 広大な領土を持つモンゴルに対しては米国も近年、中国の台頭を阻止する戦略の一環として関心を高めている。

 モンゴルのエネルギー輸出の86%は中国向けで、うち半分は石炭となっている。(c)AFP/Francesco FONTEMAGGI