【5月23日 AFP】自転車ロードレースのアスタナ・カザフスタン・チーム(Astana Qazaqstan Team)に所属するマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)が22日、今季限りでの現役引退を表明し、マン島ミサイル(Manx Missile)のニックネームを持つ、史上最高のスプリンターの一人としてのキャリアに幕を下ろすことになった。

 38歳のカヴェンディッシュは、ベルギーの伝説エディ・メルクス(Eddy Merckx)と並びツール・ド・フランス(Tour de France)歴代最多のステージ34勝を記録している。7月のツールでは、記録更新の最後のチャンスに臨むことになる。

 現在はジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2023)に出場中で、休息日となったこの日は妻や子どもたちが同席する中で引退会見を開き、「これまでこのレースの全てのキロメートルで競うことが大好きだった。だから、これが最後のジロ・デ・イタリアで2023年がプロのサイクリストとして最後のシーズンになると言うのに完璧な時期だと感じている」と述べた。

 さらに「この25年間にわたって、サイクリングは自分の人生だった。夢のように素晴らしい生活を楽しんだ」と続け、「皆さんが想像する以上にこの競技を愛しているし、この競技から遠く離れる自分を想像することができないのは確かだ」と語った。

 カヴェンディッシュはその素晴らしいキャリアにおいて、レースへの深い知識、大胆不敵でアグレッシブなアプローチ、チームメートをまとめる能力、そしてライバルを上回るスピードを発揮して、三大ツール(グランツール)での53勝を含む、区間優勝計161回という驚異の記録を残した。

 2009年にはワンデーレースのミラノ~サンレモ(Milan-San Remo)を制覇し、2011年にはUCIロード世界選手権(UCI Road World Championships)でも優勝を飾った。

 これまで、T-モバイルチーム(T-Mobile Team)やチームスカイ(Team Sky)、オメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)、バーレーン・マクラーレン(Team Bahrain-McLaren)などに所属したカヴェンディッシュは、競技での功績が認められ、大英勲章第5位のメンバー章(MBEMember of the Most Excellent Order of the British Empire)を受勲した。(c)AFP