【5月22日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所は、同研究所の研究者と英国の古生物学者が浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)安吉県(Anji)で、約4億5千万年前のカブトガニの化石を発見したと発表した。「安吉コダイカブトガニ」と名付けられた化石は頭部が丸く、かわいらしい外見をしているが、当時はどう猛な海洋肉食動物で、古代の海の「萌え系覇者」だった。

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 研究の主要メンバーで同研究所の博士課程に在籍する王晗(Wang Han)さんによると、安吉コダイカブトガニは古代の重要な節足動物、ウミサソリの一種だという。これまでに確認されているウミサソリは現在のサソリに似ていることからその名が付いた。

 今回発見された安吉コダイカブトガニは、これまでに確認された各種ウミサソリ目に比べ、より丸みを帯びたかわいらしい形をしている。化石の全長は約15センチだった。

 研究メンバーの同研究所の張元動(Zhang Yuandong)研究員は「安吉コダイカブトガニの生息時期は約4億5千万年前で、中国でこれまでに発見されたウミサソリ目の中で最も古い。周辺では深海に生息していた海綿動物などの化石も発見された。これらの発見は当時の深海環境の理解と復元、初期節足動物の進化を研究する上で重要な参考価値がある」と語った。

 研究成果はこのほど、古生物学の国際学術誌「Journal of Paleontology」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News