中国・中央アジアの首脳会議、習氏「潜在力」に期待
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【5月19日 AFP】中国と中央アジア5か国による首脳会議が18日、中国陝西(Shaanxi)省西安(Xi'an)で開幕した。習近平(Xi Jinping)国家主席は19日の演説で、貿易、経済、インフラにおける域内協力の潜在力を「最大限に発揮する」よう呼び掛けた。
中国政府は「戦略的重要地域」と位置付けるカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの首脳と協議する同会議の開催を「画期的」と称している。
中国国営メディアによると、習氏は各国首脳を前に「経済、貿易、工業力、エネルギー、運輸における(この地域の)伝統的な協力関係が持つ潜在力を十分に発揮する」必要があると述べた。
また「金融、農業、貧困削減、低炭素、健康、デジタルイノベーションなど成長の新たな原動力」を開発する必要性を強調。「中国と中央アジア諸国は戦略的な相互信頼を深め、核心的な関心項目について、常に明確かつ強力に支援し合うべきだ」と述べた。
中国によると、中央アジア諸国との貿易額は昨年700億ドル(約9兆7000億円)に達したほか、今年第1四半期は前年同期比22%増と大幅に拡大している。また中央アジアは中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」の主要ルートになっている。
習氏はまた中国当局が中央アジアの「三つの悪」と呼ぶ分離主義、テロリズム、過激主義に対抗するための安全保障協力の拡大の必要性も強調した。
さらにロシアなどが、西側が支援していると主張する旧ソ連構成国における騒乱に言及し、「われわれ6か国は、外国の内政干渉や『カラー革命』の扇動に断固反対する」と述べた。
同会議は、広島で19日に開幕した先進7か国(G7)首脳会議(サミット)と重なるタイミングで開催されている。(c)AFP/Ludovic EHRET