【5月18日 AFP】国連(UN)は17日、2023~27年が史上最も暑い5年となるのはほぼ確実だと警告した。温室効果ガスの影響とエルニーニョ(El Nino)現象により、高温が予測されるという。

 15~22年は史上最も暑い8年で、うち16年が最も暑かった。

 世界気象機関(WMO)は「今後5年間ずっと、少なくともそのうちの1年は、平均気温が観測史上最高になる。その確率は98%」だとしている。

 WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は会見で「今後数か月のうちにエルニーニョ現象が発生するとみられており、人類が引き起こした気候変動と相まって、地球の気温が未知の領域に到達する」との見通しを述べた。

 さらに「健康、食糧安全保障、水管理、環境分野など広範囲に影響が出る。備えが必要だ」と訴えた。

 通常、エルニーニョ現象が発生すると、翌年の気温が上昇する。今回は24年がそれに当たる。

 ターラス氏は、今回の予想は「われわれが温暖化を抑制できておらず、いまだに誤った方向に向かっていることを示している」と指摘した。

 同氏によると、こうした傾向に歯止めがかかり、悪化する状況を止められるのは2060年代になる可能性がある。

 また、温室効果ガスの大気中濃度は史上最高となっており、「通常の水準に戻るまでには数千年かかる恐れがある」と言う。

「前世紀のような気候に戻ることはない。それは間違いない」 (c)AFP/Robin MILLARD