【5月18日 Xinhua News】カザフスタン南部ジャンブル州のジャナタスに、中国企業が建設した容量100メガワットのジャナタス風力発電所がある。中国発電大手の国家電力投資集団傘下、中国電力国際とカザフスタンの投資企業Visorが共同で出資し、インフラ大手の中国電力建設集団傘下、中国水電建設集団国際工程が建設を請け負った。2021年6月の竣工当時は中央アジア最大の風力発電所で、カザフスタン南部の電力不足の解消に寄与した。

 ジャナタスはかつて、リン鉱石採掘と肥料生産の中心地だったが、産業が衰退すると、産業構造が単一だった同都市から人々が離れていった。

 風力発電プロジェクトが導入される前、アビルカジエフさんは地元のリン鉱石採掘場の電気エンジニアだった。2020年に採掘場を辞めるとジャナタス風力発電所の修理実習生になり、中国の技術者から発電設備の点検・修理技術を学んだ。

 中国の「一帯一路(Belt and Road)」共同建設構想とカザフスタンの新経済政策「ヌルルィ・ジョル(光明の道)」の連携枠組みの下、両国は生産能力協力と投資協力を実施。総額212億ドル(1ドル=約136円)を超える52のプロジェクトを立ち上げた。ジャナタス風力発電所もその一つだった。

 ジャナタス風力発電所の発電量は22年末時点で7億5千万キロワット時となった。同程度の石炭火力発電所に比べ、石炭約25万5千トン(標準炭換算)を節約し、二酸化炭素(CO2)排出量を約67万3千トン削減したことになる。中国はカザフスタンに設備と投資をもたらし、10年前にはほとんどいなかったクリーンエネルギー人材も育成した。

 アビルカジエフさんは、風力発電プロジェクトがジャナタスの雇用創出と税収増加に寄与し、都市に新たな発展チャンスをもたらしたと語った。

 カザフスタン北部アクモラ州にある風力発電所の第1期150メガワットプロジェクトも中国企業が投資、建設したもので、中央アジア最大の風力発電プロジェクトの一つとなっている。(c)Xinhua News/AFPBB News