中央アジア市場、中国内陸企業の新たな活路に
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【5月18日 Xinhua News】中国内陸部にある江西省(Jiangxi)の企業が中央アジア市場に活路を見いだしている。省内の大手花火メーカー、江西省李渡煙火集団が手掛けた特注の花火1487箱がこのほど、トルクメニスタン・アハル州に建設中のアルカダグ新都市に到着した。新都市の完成を祝う式典に使用されるという。同社の鄧煜群(Deng Yuqun)董事長は「中央アジア市場のさらなる開拓につながる」と期待を寄せる。
同社の花火は2008年の北京五輪や10年の上海国際博覧会(万博)、16年に浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で開かれた20カ国・地域(G20)サミットなど重要イベントに採用され、欧米やアジアの60以上の国や地域に輸出していたが、世界経済の減速の影響で注文が激減。昨年の輸出は前年比で50%近く落ち込んだ。
創業以来最大の危機に陥った同社にとって、中央アジア市場が新たな光となった。海外事業を率いる賈巍(Jia Wei)経理によると、21年2月から中央アジアを重点市場に据える戦略を推進。花火の販売と共に演出やプログラム、打ち上げまでをサポートする専門チームの派遣を始め、トルクメニスタンの重要な祝賀行事での花火打ち上げを何度も成功させてきた。
賈氏は「中央アジアには花火に対する膨大な需要がある。製品の販売だけでなくトータルソリューションの提供に力を入れたところ、トン当たり利益が従来に比べ50%増加した」と説明。トルクメニスタンでの成功が他の中央アジア市場を開拓する足掛かりになるとの考えを示した。
このほかにも多くの「メード・イン・江西」が中央アジアに輸出されるようになった。
先月28日には省都・南昌市(Nanchang)と中央アジア諸国を直通で結ぶ国際物流ルートが開通。自動車部品や陶磁器製の食器、エアコンファンなどの製品を満載した第1便の国際貨物列車が、カザフスタン最大の都市アルマトイに向けて出発した。
鉄道口岸(通関地)の開発などを手掛ける南昌向塘鉄路口岸開発の李嘉珉(Li Jiamin)総経理助理によると、同市は直通の国際貨物輸送ルート11本と鉄道・海上複合一貫輸送ルート10本を介して、中央アジアや欧州、米州、東南アジアの30以上の国や地域と結ばれている。(c)Xinhua News/AFPBB News