【5⽉16⽇ Peopleʼs Daily】人類文明の重要な発祥地であるアジアには、文化遺産が極めて豊富に存在する。しかしそれらは地震などの自然災害や気候変動、都市化、地域紛争、資金や人材の不足、管理の欠如のために複雑な局面に直面している。

 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は2019年5月のアジア文明対話大会で、アジア文化遺産保護活動の展開を提唱し、必要な支援の提供に言及した。各方面は積極的に呼応し、古代文明の研究、共同考古学調査、古跡の修復、博物館の交流などの面で協力し、人類文明の精華を保護するために新たな貢献をしてきた。

 2023年4月には第1回アジア文化遺産保護連盟大会が陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)で開催され、カンボジア、北朝鮮、イラン、キルギス、パキスタンなど21か国と3つの国際機関の代表150人が出席した。この会議では「アジア文化遺産保護連盟西安宣言」が採択された。

 同宣言によると、各方面は相互尊重、平等な付き合い、開放と包容、相互学習と相互参照の原則を堅持し、文化遺産保護の推進や考古学調査、遺跡の保護や修復、文化財密売の撲滅、文化遺産保護技術の開発、若手人材の育成などの面で幅広く協力する。

 中国とその他のアジア諸国との間では2019年以来、文化遺産の協力プロジェクトが相次いで実施されている。例えば、中国文物交流センターによる日本での『三国志』展開催や故宮博物院(The Palace Museum)で開催されたパキスタン関連部門との共催によるガンダーラ芸術展、考古学や文化財修復などを専門とする中国人スタッフによるアジア各地での考古学調査や保護修復プロジェクトへの参加だ。中国はパキスタンや韓国などと文化遺産協力文書を締結し、アフガニスタンやパキスタンと協力してオンラインによる高級研修クラスを開催した。

 パキスタン政府・考古および博物館局のナシル・カーン(Nasir Khan)副局長は、「中国はパキスタンが専門人材を育成し、文化遺産保護の技術や経験を共有するのを支援してきた」などと述べた。中国の支援は、より多くの人々に自国の文化遺産を紹介するのにも役立っているという。

 中国はこの4年間、カンボジア、モンゴル、ウズベキスタン、ネパール、ミャンマー、キルギスなど6か国と協力して11件の史跡の保護修復プロジェクトを展開してきた。

 中国はアラブ首長国連邦(UAE)、ウズベキスタン、サウジアラビアなど19か国と33件の共同考古学プロジェクトを展開し、陸上と海上のシルクロードなどの大型文明路線システムに関わるなどで、アジアの文化遺産の価値の解明を支援してきた。

 中国は関連技術を開放して文化財の保護・修復、共同考古学、文化財の防災・減災など多くの応用分野において、アジア文化遺産保護連盟加盟国に技術サービスを提供すると表明している。中国はまた、3年以内にアジア諸国に少なくとも50の文化遺産専門員の研修枠を提供し、アジア文化遺産保護の技術・理念・実践の交流を推進し、アジア文化遺産保護の青年専門チームを育成する。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News