【5月15日 AFP】5月5日から17日にかけてカンボジアで行われている東南アジア競技大会(2023 SEA Games)では、サッカーからジェットスキー、障害レースまで、30以上のさまざまなスポーツで選手たちが頂点を争っている。

 東南アジア競技大会は、開催国の裁量で採用競技を決められる柔軟性があり、地域固有の割合に新しい競技も実施できる。ここでは、今大会で行われた珍しいスポーツを四つ紹介する。

■ボッカタオ

 ボッカタオは、おそらく最も代表的なカンボジアの武術だ。1000年以上前のクメール王国軍に端を発すると言われており、その後に東南アジア各地へ広まっていった。

 昨年、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、このたび初採用となった。わずか数十年前には消滅の危機にあったが、その後、自国の文化を守りたいと考える国民の中から新たに支持者が生まれ、現在は盛り上がりを維持している。

■テックボール

 長い歴史を持ち、国にルーツがあるボッカタオとは対照的に、テックボールは2012年と最近になってハンガリーで生まれた。

 サッカーと卓球を組み合わせたようなスポーツで、湾曲した専用の台を使ってプレーする。スペインやポルトガルのサッカー強豪代表チームでも、選手が練習の合間にテックボールに興じる。

■アーニス

 フィリピンの棒術であるアーニスは、これまでは同国開催の大会でだけ実施されてきたが、今回復活を果たした。

 アーニスは選手が防具とヘルメットをつけて1対1で対戦する競技で、とう製の棒で相手への攻撃を狙う。

■チンロン

 ミャンマーの球技であるチンロンは、基本的にはサッカーのリフティングのような競技で、とうを編んで作ったボールを使い、トラップの巧みさや優雅さ、技の独創性などをチームで競い合う。

 ミャンマーの農村部で大きな人気を誇るチンロンは、チームワークが物を言う競技で、6人の選手がボールを地面に落とさないようにしながら、手以外の体のさまざまな部分でボールを扱う。(c)AFP/James LEGGE