【5⽉15⽇ Peopleʼs Daily】社会消費財小売総額は前年同期比5.8%増の11兆4922億元(約223兆円)、飲食関連の売上高は同13.9%増――。中国では第1四半期(1〜3月)、消費回復の動きが加速した。

 中国政府・商務部研究院の洪勇(Hong Yong)副研究員は、第1四半期には消費の改善が鮮明だったと指摘した。同期末月の3月には社会消費財小売総額が前年同月比で10.6%増加して、伸び率は1-2月を7.1ポイント上回ったという。

 洪副研究員は、消費の回復が好調に推移している要因は多岐にわたるとして、「今年に入ってから、消費促進政策が相次いで打ち出されました。雇用情勢も総体的に安定しています」などと説明した。第1四半期の全国における1人当たり可処分所得は、実質増加率で前年同期比3.8%増の1万870元(約21万392円)で、2022年通年を0.9ポイント上回ったという。

 消費はますます、経済成長をけん引する重要な原動力になっている。第1四半期には最終消費の経済成長への寄与率は66.6%に達した。

 ニュージーランド系企業の荷仕蘭(中国)乳業集団(Hoeslandt)の幹部は先ごろ開催された第3回中国国際消費財博覧会で、「中国の消費者のニーズはより多様化し、個性化しています。より多くの新製品を開発してこそ、消費ニーズにしっかり応じられます」と述べた。

 中国国際貿易促進委員会研究院市場研究部の張継行(Zhang Jixing)副主任は関連データを踏まえて、「中国の消費市場は回復し成長しつつあります。力強くて潜在力があるという特徴は不変です。消費の発展が長期的に好調に向かう基本状況に変化はなく、消費の高度化の大きな流れは変わっていません」と述べた。

 中国では、消費者が従来より上質な商品を購入する傾向が強まっている。第1四半期に、商品の小売売上高は前年同期比で4.9%増加した。統計では、商品18類のうち約7割で売上高が前年同期を上回った。うち金銀宝飾類は13.6%、化粧品類は5.9%増と、高額商品の伸びが大きい。

 オンライン消費も好調だ。第1四半期に実物商品のオンライン小売額は前年同期比7.3%増と、高い伸びを維持した。

 中国国際貿易促進委員会研究院市場研究部の張継行副主任は、「各種要素を総合すると、経済成長における消費の役割はさらに強まっていきます」と説明した。中国は消費が急速に高度化する段階にあり、長期的見通しは明るいという。

 観光などサービス消費の回復も顕著だ。第1四半期には飲食や娯楽、旅行などの人と人の接触を伴う消費が急増した。全国の飲食業売上高は前年同期比13.9%増の1兆2136億元(約23兆4896億円)だった。旅行需要の回復も加速中だ。観光、娯楽、飲食などを扱う美団(Meituan)と大衆点評(Dianping)の統計によると、4月29日から5月3日までのメーデー連休中における中国国内の宿泊、交通、観光区入場の予約数は4月10日時点で、2019年同期の約3倍に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News