【5⽉11⽇ Peopleʼs Daily】中国国家航天局と中国科学院はこのほど、中国初の火星の近接撮影全体画像を発表した。この画像は「天問1号(Tianwen-1)」が取得した1万4757の画像データを処理したものだ。「天問1号」は人類の火星認識をさらに増やす貢献をした。

 2022年には中国の宇宙への打ち上げ回数が過去最多の64回に達した。中国の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」も全面完成した。世界にリモートセンシング技術による恩恵をもたらす「高分(Gaofen)」シリーズは軌道上への投入を完了し、「羲和(Xihe)」と「夸父(Kuafu)」は太陽観測網の基礎を構築した。陸地生態系の炭素観測衛星の「句芒(Goumang)」も軌道に投入された。どの成果も、容易に達成できるものではなかった。

 広大な宇宙を探索することは中国人の夢であり、全人類の夢でもある。中国の宇宙開発は平等互恵、平和利用、包容力ある発展の原則を堅持している。国家航天局の設立から30年間、中国は計136件の宇宙分野協力文書を43の国と地域および6の国際機関と締結し、9か国の宇宙機構と協力文書を交わし、17の宇宙協力メカニズムを構築してきた。

 長征(Changzheng)シリーズロケットはこれまでに22の国と地域、国際衛星機関のために70基の各種衛星を軌道に投入した。中国はパキスタン、欧州連合(EU)、フランス、イタリアなどと、宇宙や地球の観測などの宇宙事業で協力した。

 中国の宇宙探査はより安定し、より遠くにまで進む。中国月探査プロジェクト総設計師の呉偉仁(Wu Weiren)氏によると、嫦娥6号(Chang’e-6)、嫦娥7号(Chang’e-7)、嫦娥8号(Chang’e-8)などによる月探査プロジェクト第4期分はすでに国の承認を得ている。

 呉氏によると、2024年前後には嫦娥6号探査機を打ち上げ、月の裏側の表面から2000グラムのサンプルを地球に持ち帰る計画だ。2026年前後には「嫦娥7号」を打ち上げ、月の南極圏に着陸させる。重要な目的の一つには水を見つけることがある。「嫦娥7号」と2028年前後に打ち上げる「嫦娥8号」は国際協力パートナーと共に月南極における国際科学研究基地の基礎を樹立する。

「天宮」は今年より本格的な応用・発展段階に入り、宇宙飛行士を常駐させる予定で、5月中には貨物宇宙船「天舟6号(Tianzhou-6)」と有人宇宙船「神舟16号(Shenzhou-16)」が打ち上げられる計画だ。10月には有人宇宙船「神舟17号(Shenzhou-17)」を打ち上げる。宇宙飛行士は貨物エアロックモジュール関連の船外任務を実施し、科学実験や技術試験、科学普及教育なども行う。

 中国は重量級運搬ロケットの開発、「天問3号(Tianwen-3)」火星サンプル・リターン、小惑星衝突を回避するための初の防御実証などの国家プロジェクトを推進する。惑星探査プロジェクトでは小惑星探査機の打ち上げや地球近傍小惑星のサンプリターン、メインベルト彗星探査などの計画が進められている。中国は2035年までに、北斗(Beidou)システムを中心に、より融合した、よりスマートなナビゲーションシステムなどを構築し、社会のスマート化・無人化の発展の鍵となる支援を提供する。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News