【5月10日 AFP】フランス議会は9日、ロシアの民間軍事会社ワグネル（Wagner）を「テロ組織」に正式に指定するよう欧州連合（EU）に要請する決議案を採択した。

　決議案を提出した与党議員は、今回の決議によって他のEU加盟国も同様の措置を講じるよう願っていると述べた。

　ワグネルがEUの「テロ組織」指定を受けると、EU加盟国は同社および傘下企業の資産を凍結することができる。さらに、EU加盟国内の企業と市民はワグネルと関わることが禁じられる。

　だがワグネルと創設者エフゲニー・プリゴジン（Yevgeny Prigozhin）氏をめぐっては、今年2月にはアフリカ大陸における人権侵害で、4月にはロシアによるウクライナ侵攻に参加したとして、EUはすでに複数の制裁を科している。

　今回の決議案に法的強制力はない。また、EUのテロ組織指定も象徴的な措置にとどまるが、フランスのカトリーヌ・コロナ（Catherine Colonna）欧州・外務相は「こうした指定の象徴的重要性や、（ワグネルを）頼りたいと思っている国家を思いとどまらせる効果を軽視すべきではない」と述べた。(c)AFP