【5月9日 AFP】中国は9日、カナダが中国外交官に国外退去を通告した報復措置として、在上海カナダ総領事館の領事を追放すると発表した。カナダは、中国政府に批判的な議員に圧力をかけようとしたとして、中国の外交官に国外退去を命じていた。

 中国外務省は英語の声明をオンラインで公表。カナダの措置について「強く非難するとともに断固反対する」とした上で、「不誠実な動きへの対抗措置として、在上海カナダ総領事館のジェニファー・リン・ラロンド(Jennifer Lynn Lalonde)領事をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)とする」と表明した。

 ラロンド氏は13日までの出国を求められている。

 カナダ下院は2021年2月、中国が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグル人に「ジェノサイド(集団殺害)」を行っているとする動議を採択した。メディアは、それに報復するため中国情報機関が中国系のマイケル・チョン(Michael Chong)議員と、香港在住の議員の親族に制裁を科そうとしていると報道。それに基づき、チョン氏が問題提起していた。

 カナダのメラニー・ジョリー(Melanie Joly)外相はこれを受けて8日、在トロント中国総領事館の趙巍(Zhao Wei)氏に国外退去を通告した。(c)AFP