【5月9日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)は8日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で3年連続で中止されていた上海マスターズ(Rolex Shanghai Masters 2023)の再開を発表し、中国テニス界にとっての「新時代」だと歓迎した。

 この数年、中国政府による厳格な感染対策により多くの国際スポーツ大会が中止されており、アジア太平洋地区の旗艦大会である上海マスターズもその一つとなっていた。国際スポーツを統括する各団体は、昨年12月にこれらの規制が緩和された後、中国大会の再開を模索していた。

 ATPのマッシモ・カルベリ(Massimo Calvelli)最高経営責任者(CEO)は、上海マスターズの再開を祝うセレモニーで、「これは中国のテニス界にとって、新しい旅立ちの瞬間になると確信している」と述べた。

 女子テニス協会(WTA)も先日、女子ダブルスの元世界ランキング1位で中国出身の彭帥(Peng Shuai)の安否を理由に中止していた中国大会の再開を決定。当初は彭に関する正式な調査と同選手とのプライベートでの面会が実現しなければ、大会を再開しない方針を打ち出していた。

 カルベリCEOは男子ツアーが中国大会のボイコットに加わらなかった理由を聞かれると、「考え方の違いだ」とし、「重要なのは(中国で)WTAが復活することだと思う。それはこの競技にとって正しいことだ」と述べた。

 また、もう一つの理由として最近の中国選手の活躍を挙げ、「特別なタイミングでの再開だ」と指摘した。

 2月に行われたダラス・オープン(Dallas Open 2023)では、ウー・イービン(Wu Yibing)が中国男子で初めてATPツアーのトロフィーを獲得。前週のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2023)では、張之臻(Zhang Zhizhen、ジャン・ジジェン)が中国の選手として初めてマスターズ1000(ATP Masters 1000)の8強入りを果たした。

 ATPによると、10月に予定されている上海マスターズは大会期間がこれまでの2倍に延長され、賞金総額はアジアでの大会では最高額となる1000万ドル(約13億5000万円)を超えるという。(c)AFP