ますます好調、中国製パワーショベルの輸出
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【5⽉11⽇ Peopleʼs Daily】パワーショベルの輸出は建設機械業界、さらには製造業の景況を示す一つのバロメーターだ。中国のパワーショベル輸出は好調が続いている。
中国建設機械工業協会によれば、主要メーカーによる今年第1四半期(1〜3月期)のパワーショベルの輸出台数は前年同期比13.3%増の2万8643台だった。
中国政府・工業情報化部によると、中国は建設機械製造で製品ラインアップが最も充実している国の一つであり、現在は22種類の建設機械が製造されている。うちパワーショベル、クレーン、ローダーなどの主要製品の生産量は世界第1位だ。そして中国製パワーショベルの輸出急増の背景には、メーカーの「質の高い発展」がある。
中国の重機大手である長沙中聯重工業科技発展(中聯重科)傘下の中聯重科土方機械の呉元峰(Wu Yuanfeng)副社長によると、今年第1四半期における同社主力商品のパワーショベルの輸出台数は前年同期の3倍以上だった。この成果には、同社による研究開発や製造過程の改善が大いに関係している。
呉副社長によると、同社は近年、湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)内に業界初の全プロセススマート製造パワーショベル生産拠点を設けた。生産能力は従来のラインと比べて平均で70%近く向上し、生産期間は65%短縮された。同社製パワーショベルは作業能力、施工効率、燃料節約、複雑な状況への対応などの実績により、海外の顧客の高い評価を獲得したという。
広西柳工機械(柳工)では、第1四半期のパワーショベルの輸出が前年同期比16%増で、うち30トン級以上の大型パワーショベルの輸出は同80%以上の伸びだった。
同社の強みの一つが顧客への対応体制だ。同社はパワーショベル関連で世界102カ国に7つの販売エリアを設けている。各エリアには自前の販売ルートとアフターサービス体制を構築しており、「週7日×24時間」体制で対応している。同社ショベルカー国際業務の林深才(Lin Shencai)総監は、「弊社のパワーショベルの平均無故障時間は1700時間を超えています。またグレーダーやブルドーザー、ローダーなどの土木用製品シリーズと世界に広がるアフターサービスネットワークが顧客を全面的にサポートしています」と説明した。
中国社会科学院工業経済研究所の周民良(Zhou Minliang)研究員によると、世界経済の下押し圧力が大きい中で、多くの国がインフラ建設や鉱山採掘などの分野での投資を拡大することで経済成長を安定させている。このことが、パワーショベルなど建設機械製品の海外需要が増加する重要な要因だ。
北京師範大学(Beijing Normal University)「一帯一路(Belt and Road)」学院の万哲(Wan Zhe)研究員は「インフラ建設は地域の経済や社会が発展するための重要な前提です」として、「『一帯一路』イニシアティブは過去10年間、沿線諸国やさらに広い範囲の国から大きな共感を得てきました。さまざまな協力がより深まり、より豊かなものになっていることが、中国製パワーショベルの海外進出に重要な外部環境を作り出しました」と分析した。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News