【5月8日 AFP】7日に行われた23F1第5戦マイアミGP(Miami Grand Prix 2023)決勝では、レース前に米国式のショービズ要素をふんだんに盛り込んだ派手な選手紹介と入場が行われたが、選手からの評価は芳しくない。

 この日はレース開始前の国歌斉唱の前に、ラッパーで俳優のLL・クール・J(L.L. Cool J)が選手を紹介。米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)のチアリーダーがポンポンを振り、スモークが噴射される中でドライバーが登場した。

 明らかにフロリダ南部の観客を意識した演出だったが、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のジョージ・ラッセル(George Russell)は、暑さの中での57周の高速レースに向けた準備としては理想的ではないと話した。

 ラッセルは「太陽の下で、ドライビングスーツを着てみんな30分も待たされたわけだから、気になった」とコメント。「個人的には、僕には向いていない。ただ、あくまで僕個人の意見だ」と続けた。

 優勝したレッドブル(Red Bull)の王者マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)も、おおむねラッセルと同意見で、どういった感想を持つかは性格や好みの問題だと話した。

「スポットライトを浴びるのが好きな人もいれば、そうでない人もいる。僕個人は、そうではない方だ。だから僕としては、もちろん普通に考えれば、きょうのようなやり方は必要ないと思う」

「だけどもちろん、エンターテインメントの価値も理解している。だから僕としては、毎回ではないことだけ願っている。シーズンは長いからね」

 一方、登場時にLL・クール・Jと抱擁を交わしたメルセデスのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、今回のやり方を支持。「彼らは新しいことに取り組み、ショーを常によくしようとしている。だから僕は全面的に賛成だ」と話し、「クールだったと思う」と評価した。(c)AFP/Simon EVANS