【5月5日 AFP】ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は5日、弾薬不足のため同社の戦闘員が「無駄死に」させられているとして、ウクライナ東部バフムート(Bakhmut)の前線から撤退すると警告するとともに、国防省幹部らを痛烈に批判した。

 プリゴジン氏はテレグラム(Telegram)への投稿で「2023年5月10日、バフムートのわれわれの拠点を国防省に引き渡し、体勢を立て直すためワグネルの部隊を後方に引き揚げる」と表明。「弾薬がなければ無駄死にするだけだからだ」と述べた。

 この投稿の前にプリゴジン氏は、ワグネル戦闘員とみられる多数の遺体を映した別の動画をテレグラムに投稿していた。

 この動画の中で同氏はセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相と軍のワレリー・ゲラシモフ(Valery Gerasimov)参謀総長を名指しして異例の批判を展開し、「ショイグ! ゲラシモフ! 私の弾薬はどこだ」と怒りをあらわにした。

 さらに、戦闘服を着たまま地面に並べられた遺体の前に立ち、「彼らは志願してここに来た。調度品の整ったオフィスにいるお前らを肥やすために死んでいく」「彼らはワグネルの戦闘員だ。きょう死んだ。血はまだ新しい」と述べ、弾薬を供給しない軍高官は「地獄に落ちるだろう」と声を荒げた。

 そして遺体を指さしながら「お前らは彼らの生殺与奪の権を握っていると考えている」と非難した。

 プリゴジン氏はこれまでも弾薬不足をめぐりロシア軍高官を批判してきたが、今回ほど強く感情的な言葉を使った批判は前例がない。(c)AFP