【5月5日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ジャマイカと中米ベリーズがチャールズ英国王(King Charles III)の戴冠式を6日に控える中、同国王を国家元首とする立憲君主制から共和制への移行を検討している。両国の有力政治家が4日、明らかにした。

 両国は数十年前に英国から独立したが、他の英連邦(Commonwealth)12か国と同様、立憲君主制を維持。英国王を元首とし、総督が国王の代行を務めている。

 ジャマイカのマーレン・マラホーフォート(Marlene Malahoo Forte)法律・憲法相は、チャールズ国王の即位によって共和制への移行計画が加速したという。

 マラホーフォート氏は英スカイニューズ(Sky News)に対し、「ジャマイカをジャマイカ人の手に取り戻す時が来た」「君主が代わる今こそ、成し遂げなければならない。わが国の政府は今すぐやらなければならないと言っている」と述べ、早ければ来年にも国民投票を実施できるとの見通しを示した。

 また、共和制への移行は「植民地支配と大西洋奴隷貿易というつらい過去につながる政府形態に別れを告げることだ」とも述べた。

 一方、ベリーズのジョン・ブリセニョ(John Briceno)首相は英紙ガーディアン(Guardian)に、2021年に共和制に移行したバルバドスに続く可能性は「かなり高い」と語った。

 ブリセニョ氏は、国民の間でチャールズ国王の戴冠式に対する「盛り上がりは皆無だ」と述べた。

 ベリーズ政府は昨年、共和制への移行を含むさまざまな制度改革を検討するために、憲法委員会を創設する法案を可決。同委員会は同年11月に招集された。

 ブリセニョ氏は来年発表される同委員会の勧告を国民投票にかけるとしているが、議会を通じて君主制を廃止する可能性も排除していない。(c)AFP