【5月8日 People’s Daily】中国・浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)では、甬江流域デジタルツインプラットフォームが洪水の変遷に対するシミュレーション・予行演習を実現し、リスク管理コントロール能力を高めた。湖北省(Hubei)の石首市(Shishou)にある天鵞洲保護区内では、スマート生態保護システムが水温、溶存酸素率、スナメリの摂食量などのデータを取りまとめ、より正確で効率的な動物保護につなげている。陝西省(Shaanxi)が構築したデジタル農村生態環境管理プラットフォームはデジタル農村環境モニタリング、可視化地理情報サービスなどの機能を備える。近年、中国ではビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)などのデジタル技術によって生態ガバナンスを強化する地方が少なくない。デジタル化やスマート化は生態文明の建設に新たな道筋を提供している。

 現在の世界においてデジタル化とグリーン化は二つの大きな流れだ。両者は互いに融合して促し合い、デジタル化によってグリーン化を促進し、経済社会発展の全面的なグリーン転換を後押しして「1+1=2プラスα」の全体的な効果を生み出す。先日発表された「デジタル中国建設全体配置計画」は「デジタル生態文明建設の積極的な進展」を2025年のデジタル中国建設の重要目標とし、「グリーンでスマートなデジタル生態文明建設」を打ち出し、次世代のデジタル科学技術が生態ガバナンスを支えるために新たな要求を示した。

 生態ガバナンスは一つの系統的な事業だ。デジタル技術の介入は生態ガバナンスの全体の流れを支え、環境データの正確な識別、リアルタイムのフォローアップを常態化させた。また、生態問題を適時に検討評価し、系統的に解決することを現実のものとした。福建(Fujian)生態環境ビッグデータクラウドプラットフォームを例に取ると、海洋ごみの重点モニタリング、大気の質の正確な検討評価から指揮中枢によるピンポイントの作業指示、省を跨ぐ危険廃棄物の移転審査認可におけるペーパーレス化まで、同プラットフォームは生態環境保護従事者が問題を見つけ、解決することをより良くサポートしている。

 近年、一連の力強い措置により、中国の多くのデジタル科学技術企業は低炭素発展計画を打ち出し、5G基地局の1か所当たりのエネルギー消費は2019年の商用初期に比べ20%以上削減された。省エネ建築、節水農業、CO2ゼロ工場などデジタル応用の新たな模索は発展における資源・環境の代価を効果的に減らしている。予測によると、2030年までに各産業がデジタル技術によって削減する炭素排出量は121億トンに達する見通しだ。デジタル化とグリーン化の融合はチェーン全体のエネルギー消費を減らすのに役立ち、生産効率とエネルギー利用効果の共同上昇、デジタル技術と実体経済の深い融合を推進し、発展の質をより高める。

 現在、デジタル化とグリーン化は世界の発展における重要なテーマであるのに加え、相互依存、相互促進する双子でもある。今後、中国は生態環境科学技術の基礎を絶えず固め、デジタル技術の応用の場を広げ、デジタル化によってグリーン化発展をけん引し、グリーン化によってデジタル化のモデルチェンジを進め、美しい中国により壮麗な新景観を出現させ続ける。(c)People’s Daily/AFPBB News