動画:「砂漠緑化の父」遠山正瑛とクブチ砂漠 中国内モンゴル自治区
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【5月3日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)オルドス市が実施する外国メディア向けプレスツアーは4月27日、最後の目的地となる達拉特(ダラト)旗恩格貝(エンフバイ・バルガス)鎮に到着し、生態モデル区を訪問した。中国八大砂漠の一つ、クブチ砂漠の緑化状況について説明を受け、中国から「砂漠緑化の父」の称号を受けた日本人、遠山正瑛氏(1906~2004年)とクブチ砂漠にまつわる話に耳を傾けた。
生態モデル区は同砂漠中央部の北端に位置し、面積は約30万ムー(約2万ヘクタール)。恩格貝地区で砂防・治砂事業が始まったのは1977年で、地元住民や国内外ボランティアの努力を経て「砂漠のオアシス」へと生まれ変わった。植生被覆率は7割に達し、環境は大きく改善された。
恩格貝の砂防・治砂事業は、長年にわたり国内外の各界から力強い支援を受けてきた。園芸学者で砂漠緑化の専門家だった遠山氏もそのうちの一人で、90年代初めに恩格貝砂漠開発モデル区の指導責任者として招かれた。恩格貝での砂漠化防止活動は91年から十数年に及び、ボランティア7千人余りを率い、内モンゴル自治区のほかにも新疆ウイグル自治区や甘粛省、寧夏回族自治区などを回った。2001年には国連の「人類に対する思いやり市民賞」も受賞した。
外国メディアの記者一行が訪れた日には、生態モデル区でボランティアによる植樹活動も行われた。同市では毎年、全市民植樹奉仕活動(全民義務植樹活動)を推進しており、3、4月の植樹シーズンにはモデル区職員も植樹に参加する。
ボランティアの一人は「毎年参加している。植樹造林は防風と砂の固定に重要な役割を果たす。空気の質を改善し、砂塵嵐(さじんあらし)の発生を減らすこともできる。鼻炎を患っているが、ここ数年はそれほどひどくない」と語った。遠山氏に話が及ぶと、多くのボランティアが遠山氏の精神に感化され、毎年恩格貝で植樹活動に参加していると説明。恩格貝の砂漠化を改善した遠山氏に感謝の念を示した。
同市の観光関連企業、恩格貝砂漠生態旅遊文化の呉昊(Wu Hao)総経理は遠山氏について、恩格貝の緑化に取り組むすべてのボランティアの模範であり、実際の行動で中日両国の民間友好交流を促進したと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News