【5月3日 People’s Daily】中国・天津市(Tianjin)の経済開発区にある一汽フォルクスワーゲン(FAW-VOLKSWAGEN)華北基地は、大規模な太陽光発電を導入している。屋根、地面、カーポートを使って年間1700万キロワット時のクリーンな電力を供給している。

 華北基地は操業段階から100件を超える省エネ・排出削減プロジェクトを実施。エネルギー消費のリアルタイム監視やビッグデータに基づくエネルギー節約などを通じ、生産額1万元(約19万7000円)あたりのエネルギー消費量は標準石炭に換算して7.66キロにとどまり、業界平均をはるかに下回っている。

 天津経済開発区では、こうした環境に優しい「グリーン工場」が数多く操業している。

 天津経済開発区は昨年5月、生物医学、自動車製造、精密機器、化学産業などを対象に、環境保護に取り組む先進企業上位30社を発表した。対象の346社のうち上位30社の総合エネルギー消費量と淡水消費量はそれぞれ16%と20%を占め、大気、水、固形廃棄物の排出量は12%、15%、24%だった。税収の70%以上と総工業生産額の半分以上に貢献しており、資源の浪費と環境への影響を抑えながら生産額の増加を実現している。

 天津経済開発区は19年連続で環境保護先進企業の選考を行っている。同区管理委員会の徐斐(Xu Fei)副主任は「この選考は企業の生産プロセスを継続的に改善し、管理レベルを向上させる効果をもたらしている」と説明する。

 グローバル製薬企業のノボノルディスク(Novo Nordisk)天津生産工場は、上位リストに掲載されている常連企業の1つだ。ノボノルディスク中国公共事業部門の彭程(Peng Cheng)経理は「インスリンの製造で多くの水を使用するため、節水は最優先事項。ビッグデータや人工知能(AI)などの新しい技術を活用し、常に最適化を図っています。水の再処理システムも導入し、年間 27% の節水を実現しています」と説明する。

 徐氏は「先進企業に選ばれた企業は、それで終わりではない。より多くの企業が環境保護の道を歩むように促し、政府がそのための投資をする上で支える役割を果たさなければなりません」と話す。天津経済開発区の企業はそれぞれ、さまざまな指標ランキングを通じて改善を進めており、「環境に優しい工場」であることを競い合っている。(c)People’s Daily/AFPBB News