【4月29日 AFP】デンマーク領グリーンランドの自治議会は28日、憲法草案をめぐる第1読会を開いた。独自憲法の制定は、将来の独立交渉に際し、よりどころとなるものだ。

 憲法草案は、憲法制定委員会が4年かけて起草。グリーンランド語で書かれており、49段落で構成されている。

 グリーンランドの人口は約5万5000人。1979年に広範な自治権を獲得した。独自の旗、言語、文化、自治政府機関を有する。ただ、域内総生産(GDP)の4分の1、予算の半分以上をデンマークからの補助金に依存している。

 2009年に施行された自治政府法の下、権限はさらに拡大したが、通貨の発行、司法制度、外交・安全保障などの分野は依然、デンマークが担っている。地元メディアによると、憲法草案には、グリーンランド独自のパスポートの発給、司法権限をどうするかといった点については明記されていない。

 王室に関する言及もなかった。デンマークの元首である女王もしくは王を引き続き元首としていただくのか、未解決の問題として残されている。

 デンマーク国際問題研究所のウルリック・プラム・ガド研究員はAFPに、「(憲法草案は)現時点ではグリーンランド内の問題を扱っている。デンマークとの交渉が始まり、それを担当する政治家が決まった段階で、デンマークとの関係も浮上してくるだろう」と語った。(c)AFP