【4月26日 CGTN Japanese】木登りや腹筋トレーニングが得意なジャイアントパンダの萌蘭(モンラン)は、北京動物園で何度も「脱走」を画策し、フェンス越えに成功したこともあり、来園者から驚きの声が上がっています。

 中国南西部四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で生まれたモンランが北京動物園へ送られる際、長い間モンランの世話をしてきた飼育員の張粤さんは見送ることができませんでした。多くのネットユーザーが「モンランが何度も根気よくフェンスを乗り越えようとするのは、四川省に戻って張さんに会いたいからではないか」と推測しています。

 張粤さんは四川省成都市の出身で、2012年の卒業後、パンダ好きが高じてパンダ基地の飼育員になりました。モンランが1歳前後の時、張粤さんが担当の飼育員になり、モンランの他にも数匹の幼いパンダの世話をしていました。モンランは張粤さんを見かけるたびに、まるで親子のような親しみを見せて寄りかかってきました。

 モンランは2017年に成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地から北京動物園の新居に送られました。ここ数年、張粤さんは仕事の都合で、北京を訪れてモンランに会う機会がありませんでした。

 2021年12月15日、モンランはおもちゃのボールに登ってフェンス越えに成功すると、フェンスの上にもたれて観光客と目を合わせました。この他にも、飼育員のまねをして、こっそりと扉を開ける技を練習しています。時には、黙って前足を飼育員の鍵に伸ばしていたこともあります。

 北京動物園では最近、手すりをかさ上げして保護を強化していますが、モンランは「脱走」を諦めるつもりはないようで、懸命に体を鍛え、腹筋の強化に励んでいます。フェンスを越えるのは見つかりやすいと気づいたのか、一度は「地下道を掘る」ことで目標を達成しようと方向転換したこともありました。もちろん、この計画も成功しませんでした。

 張粤さんはこのほど取材に対し、「これは単にやんちゃすぎるからだろう。多くのネットユーザーは私に会うために逃げ出そうとしたと推測しているが、そこまで深い理由はないと思う。やんちゃすぎるからだ」と語りました。

 交差感染などを避けるため、パンダの飼育員の家では犬や猫などのペットを飼うことが禁止されています。張粤さんは「私の眼中にはパンダしかない!」として、「息子と一緒にいるよりパンダの相手をする時間の方が長いほどだ」と笑いながら語りました。

 張粤さんは「今の最大の願いは、全てのパンダがどれも健康でいることだ」として、「機会があれば、必ず訪ねに行く」と語ると共に、成長したモンランが早く父親になることに期待を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News