【4月30日 People’s Daily】「全過程にわたる人民民主を発展する」ことは、中国式の現代化の本質的要件の一つだ。社会主義現代化国際大都市の建設を加速している上海市では、全過程にわたる人民民主を都市の発展建設の全過程に組み込み、全過程にわたる人民民主の最良の実践地を作り出すことを目指している。

 先日、上海市長寧区(Changning)虹橋路(Hongqiao)の人気のあるAI(人工知能)食堂にて、住民たちは一堂に会し、慈善法改正草案について熱烈な討論をした。ここは虹橋街道(町内)の基層立法連絡拠点が立法の意見募集を行う応接室になっている。

 2015年から、虹橋街道は全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会が認可した最初の基層立法連絡拠点の一つとなり、市民は家の近所で国家の立法に参加することができるようになった。

 上海市長寧区萍聚工作室の責任者、党支部書記の朱国萍(Zhu Guoping)さんは、虹橋街道で数十年間コミュニティに根をおろしている。基層立法連絡拠点がここに決められた後、彼女は情報員になり、数回の法律草案の意見募集に参加した。

 朱書記は、基層立法連絡拠点は一方で「法言法語(法律専門用語)」をわかりやすい言葉に変えて、地域住民が問題を話し、提案をできるようにする必要があると語った。朱書記は、他方で、地域住民から意見を収集しても、元の意味を保ちながら、立法の参考となる正確な表現に変える必要があるとも述べた。

 群衆性と専門性がここで交差し、融合する。基層立法連絡拠点で始めて議論されているのは、家庭暴力反対法草案だ。最初に法令を紹介するとき、住民たちは「法定代理人は誰だか?」、「『法によって』、依っている法は何だか?」とぼう然とした。

「住民たちは『法言法語』を理解できないかもしれないが、彼らには豊かな人生経験がある」と、上海康明法律事務所(KM Law Firm)の吴新慧(Wu Xinhui)主任は、連続して3回の座談会に参加した。彼女の重要な任務の一つは、専門の法律条文を住民が理解できるように「翻訳すること」だ。時には住民たちは、聞いていることが身近な「家庭の揉め事」であることに気づき、すぐに熱烈な議論が始まる。

 基層市民の立法における意見募集への参加意欲が高まり、参加者の範囲も広がり、提供される意見もますます精度が高まっており、意見募集の数と質が共に向上し、民主主義への満足度と生活に対する満足度も共に向上する良好な発展状況がみられている。2023年1月までに、虹橋街道の基層立法連絡拠点は、78の法律の意見募集を行い、各種の意見や提案を1926件集約整理し、そのうち163件が採用された。(c)People’s Daily/AFPBB News