【4月26日 AFP】ウクライナ侵攻を受けてロシアから撤退した米ファストフード大手ケンタッキーフライドチキン(KFC)を引き継いだ新たなファストフードチェーン「ロスティクス(Rostic's)」の1号店が25日、ロシアの首都モスクワ中心部にオープンした。

 ロゴからKFC創業者カーネル・ハーランド・サンダース(Colonel Harland Sanders)氏の肖像が消えたが、ブランドカラーにはKFCを象徴する赤と白が使われている。

 同日午後に訪れると、数十人が来店していた。客の一人、エフゲニー・ラザレフさん(31)は店舗前で取材に応じ、「私たちにとって、ロスティクスは子どもの頃の思い出のようなものだ」「以前あったものが戻ってきた」と述べた。

 ロスティクスはもともと、1991年のソ連崩壊直後の93年に創業。ロシアにおけるKFCの事業拡大に貢献し、最終的にKFCに買収された。多くのロシア人にとって、ソ連崩壊を受け自由主義経済に移行する激動期を思い起こさせるブランドだ。

 同じく来店客のバレリア・バリギナさん(22)は、西側の大手企業が撤退しても、自身の生活に影響はないとして、「今は21世紀だ。常にみんなに行き渡るだけの服や飲食物がある」語った。

 KFCの親会社ヤム・ブランズ(Yum! Brands)は先週、ロシア事業を同国企業スマート・サービス(Smart Service)に売却しロシアからの撤退を完了したと発表した。AFPは両社にコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP