【4月25日 AFP】米保守系テレビ局FOXニュース(Fox News)は24日、看板司会者のタッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏(53)が退局すると発表した。同局が投票集計機メーカーから名誉毀損(きそん)で訴えられ、巨額の和解金を支払うことで和解してから数日後の電撃発表となった。

 カールソン氏はFOXで最も有名なキャスターで、保守層に絶大な人気を誇る夜間のゴールデンアワーの番組の司会を務めていた。だが、攻撃的な論調は批判を集め、ジャーナリストとしての厳正さに欠け、誤情報の拡散や人種差別などの憎悪に満ちたコメントを繰り返していると非難されていた。

 FOXニュースは、2020年大統領選で投票集計機メーカーのドミニオン・ボーティング・システムズ(Dominion Voting Systems)の集計機が結果の不正操作に利用されたとの虚偽情報を広めたとして同社から提訴され、先週、7億8750万ドル(約1050億円)を支払うことで和解した。

 和解前に流出した内部情報からは、FOXニュースの上層部が視聴者離れを懸念し、選挙に関する偽情報を広めることをいとわない姿勢を示していたことが判明していた。また、カールソン氏がドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領を「激しく嫌って」おり、自身の番組で「無視」できるようになる日が待ち遠しいと語っていたことも明らかになった。(c)AFP