【4月24日 AFP】中国の盧沙野(Lu Shaye)駐フランス大使が、同国メディアに対し、旧ソ連から独立した国の主権に疑問を呈する発言をした。これを受け、ウクライナや東欧諸国、欧州連合(EU)から批判が相次いでいる。

 盧氏は21日、ニュース専門局LCIのインタビューで、ソ連崩壊後に独立した各国について「主権国家としての地位を承認する国際合意が存在しないため、国際法上の有効な地位はない」とし、ウクライナのみならず、EUに加盟したバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)など旧ソ連諸国の主権に疑問を投げ掛けた。

 また、2014年にロシアに併合されたウクライナ南部クリミア(Crimea)半島の帰属については「問題をどう捉えるかによる。そもそも歴史的にクリミアはロシア領だった」と述べた。

 ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)顧問は23日、旧ソ連構成国の地位は「国際法に明記されている」とするとともに、クリミアに関する発言も問題だとの認識を示した。

 バルト3国の外相も盧氏の発言を非難。エストニアのマルグス・ツァフクナ(Margus Tsahkna)外相は「歴史を誤って解釈している」と語った。

 EUの外相に当たるジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表もツイッター(Twitter)で、「容認し難い」と批判。

 仏外務省は22日、「中国の駐仏大使の発言を遺憾に思う」とし、中国政府の公式見解ではないことを望むと述べた。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT