【4月23日 AFP】パキスタンのカラチ動物園(Karachi Zoo)で22日、体調不良で治療中だったアフリカゾウが死んだ。同国の動物園をめぐっては、飼育動物のケアが行き届いていないとして以前から批判の声が上がっており、獣医師らは、さらなる悲劇が起きないよう、死んだゾウの「パートナー」を別の施設に移すよう訴えている。

 死んだゾウ「ヌール・ジェハン(Noor Jehan)」の置かれた状況については、カラチ動物園の閉園を訴える動物愛護団体がこれまでも問題視していた。

 17歳のヌール・ジェハンは今月、後ろ足の腫瘍の緊急治療を受けた。その後、飼育舎内のプールにはまり、動けなくなってしまった。

 飼育員らに助け出されたが、体重は3.5トンで自力で立つこともできなくなり、9日間にわたり横になったままとなった。動物愛護団体「フォー・ポーズ・インターナショナル(Four Paws International)」は、「生命を危険にさらす状況だ」と批判した。

 同団体によると、安楽死が検討される中、決定を待たずにヌール・ジェハンは死んだ。

 フォー・ポーズの獣医師は、同じことがパートナーのマドゥ・バラ(Madhubala)にも起きてはならないとAFPに語った。23日に健康診断を行い、園から移動させるよう働き掛ける考えという。

 フォー・ポーズは、「カラチ動物園は国際基準を満たしていない。設備が未整備でゾウを適切に管理できていない」とし、強制閉園案に支持を表明した。(c)AFP