【4月23日 AFP】独メディアグループ「フンケ(Funke)」は22日、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏(54)の言葉とされるものを、人工知能(AI)を使って作成した傘下の雑誌「Die Aktuelle」の編集長アンネ・ホフマン(Anne Hoffmann)氏を解雇したと発表した。

 2013年に仏アルプス(French Alps)でのスキー中に頭部に重傷を負ったシューマッハ氏と事故後初めての「インタビュー」が実現したとする記事は、19日に発表されて以来、大きな議論を巻き起こしていた。記事には、事故後の家族との生活や自身の容体に関するシューマッハ氏本人の言葉とされるものが含まれており、同氏のプライバシーを厳重に守ってきた家族は、法的措置を取る意向を示していた。

 フンケのビアンカ・ポールマン(Bianca Pohlmann)氏は、「今回の記事は悪趣味で誤解を招くものであり、表に出すべきではなかった」と家族に謝罪。「われわれや読者が、フンケのようなグループに期待するジャーナリズムの基準にまったく満たない」とし、「2009年からDie Aktuelleで編集長を務めるアンネ・ホフマンは、現時点で解職されている」と明かした。

 事故以来、シューマッハ氏は公の場には一切姿を見せておらず、現在の容体に関する情報もほぼ公開されていない。報道によると、記憶や動作、言語に障害があり、スイス・ジュネーブ近郊の自宅で介護を受けているという。(c)AFP