【4月21日 AFP】13日に行われた世界ラリー選手権(WRC)のテスト走行中に死亡したクレイグ・ブリーン(Craig Breen、アイルランド)選手(33)について、2019年シーズン覇者のオット・タナック(Ott Tanak、エストニア)らドライバー仲間が20日、つらい胸中を口にした。

 ヒョンデ(Hyundai)から参戦していたブリーン選手は、21日開幕の第4戦ラリー・クロアチア(Croatia Rally 2023)に向けたテスト中にコースを外れ、木製のポールに衝突して死亡した。コ・ドライバーのジェームス・フルトン(James Fulton)選手は無事だった。

 フォード(Ford)に所属するタナックは「心は空っぽだ。本当に大きな痛みを感じている。つらいけれど、ジャッキー(ブリーン選手の母親)さんに笑顔を見せると約束した。自分たちも、みんなも前進していく」と語った。

 ヒョンデのマシンはラリー・クロアチアの期間中、アイルランド国旗のカラーに彩られることになっている。

 ヒョンデでチームメートだったティエリー・ヌービル(Thierry Neuville、ベルギー)は、autosport.comに対し、「全員にとってつらいラリーになるだろうが、チームとして、そしてラリーのファミリーとして、自分たちは力強く前進していかなければならない。クレイグもそれを望んでいるはずだ」と話し、「クレイグのことは皆、夢に向かって110パーセント生き抜いた人間として記憶していくだろう」と続けた。

 通算8度の選手権制覇を誇るトヨタ(Toyota)のセバスチャン・オジェ(Sebastien Ogier、フランス)も、ブリーン選手がラリー・クロアチアの開催を望んでいるだろうと話し、「今週末は誰が勝っても、勝利は今は二の次で、いつもとは違う味わいになるだろう」と語った。(c)AFP