【4月21日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の伝説的ドライバー、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏(54)の家族は20日、人工知能(AI)を使って同氏の架空のインタビュー記事を作成したとして、独誌「Die Aktuelle」を提訴することを検討していると明らかにした。

 同誌は19日発行の誌面で、2013年に仏アルプス(French Alps)でのスキー中に頭部に重傷を負ったシューマッハ氏と事故後初めての「インタビュー」が実現したとする記事を掲載した。

 記事には、事故後の家族との生活や自身の容体に関するシューマッハ氏本人の言葉とされるものが含まれていたが、内容はAIで生成したものであるとの説明が加えられていた。

 シューマッハ氏の家族の広報担当者は、AFPの取材に対し、法的措置を計画しているとしながらも、それ以上の詳細については明らかにしなかった。

 シューマッハ氏の事故後のプライバシーは、家族によって厳重に守られている。事故以来、本人は公の場には一切姿を見せておらず、現在の容体に関する情報もほぼ公開されていない。報道によると、記憶や動作、言語に障害があり、スイス・ジュネーブ近郊の自宅で介護を受けているという。

 シューマッハ氏は現役時代、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)と並び歴代最多となる通算7度の選手権制覇を果たし、通算勝利数もハミルトンの最多103勝に次ぐ91勝を記録した。

 息子のミック・シューマッハ(Mick Schumacher)もF1ドライバーとなり、現在はメルセデスAMG(Mercedes AMG)のリザーブドライバーを務めている。(c)AFP