【4月17日 People’s Daily】北京の人民大会堂で3月5日、第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が開かれた。中国工業情報化省の金壮竜(Jin Zhuanglong)大臣は取材特設スペース「大臣通路」で取材を受け、工業の安定成長の推進、従来型産業のアップグレード、第5世代移動通信システム(5G)の発展措置などの質問に答えた。金氏は「2023年、中国の工業経済は回復し、好調に向かう」と見通しを述べた。

 2022年の工業増加値(産業付加価値額)は初めて40兆元(約774兆円)を突破し、工業がマクロ経済において「バラスト(重し)」の役割を果たすことがより明確となった。このうち製造業の増加値は国内総生産(GDP)の27.7%を占め、中国の製造業の規模は13年連続で世界一となっている。

 金氏は「今年の工業経済は有利な要素が少なくない。新型コロナウイルス対策で決定的な勝利を収め、既存の政策と新たな政策が結合して効果を発揮している。企業の活性化、個人消費の解放、産業の高度化がより進む」と説明。今後は重点産業の成長や製造業への投資、新エネルギー車の購入を促進していくと目標を掲げた。

 金氏はさらに、「中国の従来型産業は規模が大きく、製造業の80%以上を占めている」と指摘。技術設備のインテリジェント化、工場やサプライチェーンのスマート化に取り組み、従来型産業のアップグレードを進めると強調した。また、鉄鋼、非鉄金属、建材、石油化学などの産業でグリーン化(環境への負担軽減)を進め、二酸化炭素の排出量を減少に転じさせる「カーボンピークアウト」を実現していくとした。

 5G開発の目標について金氏は「中国は世界で最大かつ最も進んだ5Gネットワークを構築しており、国民経済の97部門の半分以上が5Gを利用している」と強調。「今年は5G基地局を60万か所に新設し、地域を越えて5Gの接続を拡大していく。第14次5か年計画(2021~2025年)期間中に5Gスマート工場を1万か所以上建設する計画だ。企業・大学・研究機関・運用者が研究・開発を進め、国際協力を強化し、第6世代移動通信システム(6G)の研究・開発を強化していく」と語っている。(c)People’s Daily/AFPBB News