古民家を生かした新生活 伝統集落をアップサイクルする浙江省松陽県
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【4月17日 People’s Daily】中国浙江省(Zhejiang)麗水市(Lishui)松陽県(Songyang)三都郷に暮らす曽栄華(Zeng Ronghua)さんの自宅は築100年以上の古民家だ。2年前までは雨漏りがひどく、すきま風も入るあばら家だったが、「『古家屋を救え』活動のおかげで、元の暮らしやすさを取り戻すことができました」と感謝する。
2016年4月、中国文化財保護基金会は松陽県で「古民家を救え」プロジェクトを開始。第3回全国文化財国勢調査で登録された建造物が対象で、曽さんの古民家も含まれていた。
壊れた門や雨漏りする窓、半壊した屋根を取り払い、手作りの門扉や天井、かまどに取り換え、4か月をかけて改修。曽さんは「防水性と保温性の高い技術が使われていると同時に、修旧如旧(古いものを古いまま修復する)という原則に従い、外観はほとんど変わっていません」と話す。
松陽県には昔ながらの村落が100か所以上あり、そのうち78か所が国家級の伝統村落だ。三都郷は伝統村落が集まる地域で、曽さん宅のような古民家が1000軒近くある。そのうち約150軒が「古民家を救え」プロジェクトの対象となっている。
松陽県観光開発サービスセンターの鄧昇(Deng Sheng)副主任は「古民家の修復は村人の生活環境を改善すると同時に文化財の保存となっている。中国文化財保護基金会が修繕費の半額を負担し、低所得世帯にはさらに補助をしています」と説明する。曽さんは自宅の一部を「山隠小院」と名付けて民宿を始め、収入は2万元(約38万7000円)を超えるようになった。
三都郷には多くの若者が都会から戻るようになった。劉雯悦(Liu Wenyue)さんもその一人。彼女は中国の伝統衣装「漢服」のデザイナーで、古民家を撮影や展示、作業をするスタジオに改装した。「この場所は多くのインスピレーションを与えてくれる」。2022年には104種類の漢服をデザインし、年収は70万元(約1354万円)を超えた。
鄧氏は「『古民家を救え』プロジェクトは、文化財を保護する公益事業であるだけでなく、伝統文化を活用した経済発展を促進しています。今後、ますます多くの人々が古民家に戻り、村は活気に満ちていくでしょう」と喜びを語る。(c)People’s Daily/AFPBB News