【4月10日 AFP】チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(87)は10日、インドで行われた公式行事の際、会見した少年に口づけした上で自分の舌を吸うよう促す動画がソーシャルメディアで拡散し、批判を巻き起こしていることを受け、謝罪声明を発表した。

 拡散した動画は2月28日、インド北部ダラムサラ(Dharamshala)郊外のマクロードガンジ(McLeod Ganj)での行事の際に撮影された。

 敬意を表するために身を乗り出した少年の唇にダライ・ラマがキスをし、次にダライ・ラマが少年に「私の舌を吸って」と言って舌を突き出す様子が映っている。

 ツイッター(Twitter)の公式アカウントには「猊下(げいか)は少年とその家族、そして世界中の多くの友人に対し、自らの言葉が与えたかもしれない傷について謝罪を望んでいる」との声明が公開された。

 声明にはさらに「猊下は公の場やカメラの前で、会見した人を無邪気な遊び心からからかうことがよくある」「この件を後悔している」と付け加えられていた。

 ツイッターでは9日にこの動画がトレンド入りすると、ユーザーから「不快だ」「完全に病んでいる」といった非難が続出。あるユーザーは「ダライ・ラマのこの動画はひどくショックだ。彼は以前にも性差別的な発言について謝罪したことがあったが、幼い少年に『私の舌を吸って』と言うなんて最低だ」と書き込んだ。

 1989年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したダライ・ラマは、2019年に英BBC放送とのインタビューで、自分の後継者が女性になる場合は「魅力的」であることが必要だと発言。世界中から批判を浴び、謝罪した。(c)AFP