【4月8日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は7日、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramdan)」中の日没後に食事を取る「イフタール(Iftar)」を政府主催で初開催し、2014年にロシアに併合された南部クリミア(Crimea)半島でイスラム教徒の少数民族タタール人が迫害されているとしてクリミア奪還を誓った。

 政府主催のイフタールは、首都キーウ郊外のモスク(イスラム礼拝所)に国内のイスラム教指導者およびイスラム諸国の大使を招いて開催された。毎年の恒例行事にするという。

 ゼレンスキー氏は「ウクライナは、わが国のイスラム教徒と、われわれと同じく、平和を心から求めている世界中のイスラム教徒に感謝している」と述べた上で、イスラム教徒のウクライナ兵を表彰した。

 さらに「ウクライナを隷属させるロシアの試みは、まさにクリミアの占領と、クリミアの人々、ウクライナ人、クリミアのタタール人、同地のイスラム教徒の自由への弾圧から始まった」として、「ウクライナにとっても世界にとっても、クリミアの奪還以外に選択肢はない。われわれはクリミアに戻る」と表明した。

 タタール人はクリミア人口200万人の12~15%を占め、2014年にロシアが強行した住民投票では大半が棄権した。

 ロシア政府はその後、クリミア・タタール国民議会を過激派組織に指定して活動を禁じ、安全保障上の懸念を理由にタタール人を収監している。(c)AFP