【4月6日 AFP】米人権監視団体「フリーダム・ハウス(Freedom House)」は6日、反体制派を弾圧する目的で外国に滞在する国民を拉致したり、暴力を振るったり、強制送還させたりするなど「国境を越えた弾圧」を行う国が増えているとの報告書を公表した。中国の事例が最も多いとしている。

 報告書によると2014年以降、38か国の政府による直接的な「国境を越えた弾圧」は854件に上った。

 22年には、初めて国名が挙がったバングラデシュとジブチを含む20の政府がこうした行為を行った。

 14年以降の全事例のうち3割が中国政府によるものだった。少数民族ウイグル(Uyghur)人の強制送還を求め他国に圧力をかけるなどの試みがあったされる。

 次いで多かったのはトルコだった。レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は16年のクーデター未遂事件に関連し亡命した人々を追っている。また、スウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請したのを利用し、数人の送還を求めたが、同国は応じていない。

 ロシアやタジキスタンによる事例も多い。ロシアはウクライナ侵攻を受けて国外脱出した国民の送還を求めており、特にカザフスタンへの圧力を強めている。

 このほかエジプト、ベラルーシ、イラン、ルワンダなどについても事例が報告されている。(c)AFP