【4月5日 AFP】仏東部ストラスブールにあるサンギヨーム(Saint-Guillaume)教会のダニエル・ボッセンバッハー(Daniel Boessenbacher)牧師(54)は4日、自身のプロテスタント教会でポールダンスの公演が行われた後、殺害を予告する脅迫状2通を受け取り警察に通報したと明らかにした。

 ボッセンバッハー氏は「聖歌スターバト・マーテル(Stabat Mater)とポールダンスの公演に関するものであることは間違いない」と述べた。

 バロック音楽と舞台芸術の協会「Passions Croisees(織り交ぜた情熱)」は先週、サンギヨームを借りて、イタリアの作曲家ジョバンニ・バッティスタ・ペルゴレージ(Giovanni Battista Pergolesi)の代表作「スターバト・マーテル」とポールダンスを組み合わせた公演2回を行った。

 地元紙デルニエール・ヌーベル・ダルザス(Dernieres Nouvelles d'Alsace)によると、公演のチケット1000枚はすぐに完売した。

 ボッセンバッハー氏は公演について「なまめかしいがソフト」だったと評する一方、「よく思わない人もいた」と認めた。

 脅迫状の一通には「教区民を斬首すべき」「教会ではなくキャバレーだ」と書かれていた。

 もう一通には「牧師は斬首されるべきだ。神聖な教会の鍵を踊るヘビに手渡したのだから」と記されていた。

 ボッセンバッハー氏によると、教会のドアの下には「死ね」「地獄に落ちろ」などと書かれた公演のプログラムが差し込まれていた。

 同氏は「反発には慣れているが、殺害予告には慣れていない」とした上で「こんなことで私を思いとどまらせることはできない」「教会は、世界に開かれたものであるべきだと思う」と述べた。

 ポールダンスは、映画によく登場する怪しげな店で行われるエロチックなショーと同一視されることもあるが、センスと鍛錬、技術を要する運動競技でもある。

 サンギヨーム教会では5月31日と6月1日にも、オペラとポールダンスを組み合わせた公演が行われる予定だ。(c)AFP