【4月5日 AFP】陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は4日、ケニアの陸上選手2人のドーピング違反に関する調査を終え、双方が類似した書類偽造を行っていたことを受け、医療に詳しい人間が違反の隠蔽(いんぺい)の手助けをしていると発表した。

 ケニアの陸上選手では、1月にベティ・ウィルソン・レンプス(Betty Wilson Lempus)が薬物違反による5年間の出場停止、エグレイ・ナルヤーニャ(Eglay Nalyanya)が4日に8年間の出場停止処分を科された。

 これについてAIUは、「ナルヤーニャとレンプスの話では、二人は同じケニアの病院で治療中に筋肉内注射を行い、それぞれの主張を裏付ける偽の医療文書を作成した」と発表。「いずれの事例でも、AIUがケニア反ドーピング機関(ADAK)と協力して調査した結果、文書は偽造であり、記載されている医師は架空の人物で、どちらの選手も注射は受けていなかったことが判明した」とし、「2件の偽造書類は、明らかに似通っている」と述べた。

 AIUは、ケニアの陸上選手が「かなりの医学知識を持った人物を含めた、一人もしくは複数の人間からの援助を得ている」と考えている。

 AIUのトップであるデビッド・ホウマン(David Howman)氏は「ケニアのドーピングがどんどん組織化しているのは明らかで、今回のケースは、医療の経験を持つ人間が関与している事実を強調するものだ」と話し、「これはわれわれのスポーツにとっての深刻な脅威だ」と危機感を示した。(c)AFP