【4月4日 AFP】ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)のカフェで起きた爆発で、ウクライナ侵攻を支持する著名軍事ブロガーが死亡した事件について、ロシア当局は3日、収監中の反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の支持者による支援を受け、ウクライナが仕組んだものだと主張した。

 これに対し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は記者団に、自国のことで精一杯でロシア国内のテロに関わっている余裕などないと一蹴した。

 2日に起きた事件では、軍事ブロガーのウラドレン・タタルスキー(Vladlen Tatarsky)氏が受け取った彫像に爆発物が仕掛けられていたとみられている。同氏が死亡した他、30人以上が負傷。地元サンクトペテルブルク出身のロシア人、ダリヤ・トレポワ(Darya Trepova)容疑者(26)がすでに拘束されている。

 重大事件を担当する連邦捜査委員会(Investigative Committee)と国家反テロ委員会は、事件の背後に親ナワリヌイ派がいると主張。捜査委はトレポワ容疑者拘束時の動画を公開した際、同容疑者について、「過激派」に認定されあらゆる活動を禁止されたナワリヌイ氏の政治団体「反汚職基金(FBK)」の支持者で、「反体制的思想」を持っていると説明した。

 一部の識者は事件について、ウクライナ侵攻を批判する人々への弾圧強化の口実に使われる可能性があると指摘している。

 ナワリヌイ氏の広報担当者キラ・ヤルミシュ(Kira Yarmysh)氏は、ナワリヌイ氏に新たな罪を着せる材料にされるのではないかと懸念している。

 ヤルミシュ氏によると、ナワリヌイ氏は近く始まる裁判で禁錮35年を言い渡される可能性がある。ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)が罪状に「テロの罪」を追加しようとしてもおかしくないという。

 クレムリンは今回の事件を「テロ攻撃」と非難し、「実行組織がウクライナの特務機関と関係している可能性を示す証拠がある」と述べている。(c)AFP