【4月3日 AFP】2日に行われた23F1第3戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2023)決勝で、レースが正式に終了する前に観客がコースに侵入したことについて、主催者は3日、「恐ろしい結果になっていた可能性もあった」と認め、全面調査を約束した。

 13万人以上のファンが詰めかけた決勝は、レース自体も終盤に大混乱の展開となったが、その終了間際、「大人数の」観客がまだ走っているマシンからわずか数メートルのバリアーをくぐり抜けたり、フェンスによじ登ったりする騒ぎが起こった。レースを終えて止まっていたマシンに触れられるほど近づいた観客もいたという。

 これについて、レース後に主催者を呼び出して説明を求めた国際自動車連盟(FIA)は、「実行されるはずの安全対策と手順が取られなかった結果、観客とドライバー、レース関係者にとって安全ではない環境が生じた」とし、重大な規則違反があったと判断。「正式な改善案を早急に提示する」ことを主催者に求めた。

 オーストラリアGPのレース責任者を務めるアンドリュー・ウェスタコット(Andrew Westacott)氏も、騒動の経緯はまだ把握できていないが、受け入れがたい事態だと認めた。

 ウェスタコット氏は豪公共放送ABCに対して「観客が規制線の一つを破った。どうしてそういうことになったかはまだ分かっていない」と話し、「監視カメラも、映像も大量にあるので、数週間かけてよく調べる必要がある」とコメント。「モータースポーツは危険だし、恐ろしい結果になっていた可能性もあった」と続けた。

「モータースポーツでは誰も悪いことはしないし、観客は信じられないほど行儀がいいが、多少の混乱があったと思う。彼らが適切な許可がないまま、あのエリアにどう入ったかはまだ不明だ」 (c)AFP