【3月31日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は30日、自身に対して人種差別的な言葉を使用した元F1ドライバーのネルソン・ピケ(Nelson Piquet)氏(70)に高額な罰金を科したブラジル司法の判断を称賛し、「憎しみに満ちた」人々は許されるべきではないと語った。

 通算7度の年間優勝を誇るハミルトンは、今週末に行われる第3戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2023)に向けた記者会見で、「憎しみに満ちた人々にプラットフォームを与えるべきではないと、自分は今でも信じている」とし、「ブラジル政府に感謝したい。責任を負わせ、ああいったことは容認されないと人々に示したのは本当に素晴らしいと思う」と裁判所の判断を歓迎した。

 現役時代に通算3度の年間優勝を果たしたピケ氏は、2021年の英国GP(British Grand Prix 2021)でハミルトンとマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が接触したことをめぐり、インタビューでハミルトンを批判した際に問題の言葉を使った。ピケ氏は娘のケリーさんがフェルスタッペンと交際している。

 その後ハミルトンに謝罪し、自身が使用したのはブラジルポルトガル語で「男」や「人」を指すのによく使われる言葉で、侮辱する意図はなかったと釈明していた。

 しかし、裁判所はピケ氏の発言は「容認できない」もので「社会の基本的価値に対する重大な違反」だと判断。「故意でなかったといって、少数派に対する差別的な言動は正当化できない」とし、「集団に対する精神的損害賠償」として罰金を科した。罰金は反差別団体に寄付される。(c)AFP